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【卒業生インタビュー】オマー・ベラダ(英プレミアリーグ・マンチェスター・シティ最高執行責任者)

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今月開催されるFIFAワールドカップロシア大会を前に、EUの卒業生であり、世界中に数百万人のファンを持つ世界有数のサッカークラブ、マンチェスター・シティFCの最高執行責任者、オマー・ベラダ氏にインタビューする機会に恵まれました。

EUビジネススクールで学び、FCバルセロナに就職した経験から、マンチェスター・シティでの最高執行責任者(COO)としての役割、仕事のやりがいまで、オマーさんはたくさんのことを話してくれました。

なぜEUビジネススクール(以下、EU)を選んだのですか?

私がEUビジネススクールに魅力を感じたのは、ヨーロッパのキャンパス間で転校できる点です。

私は、ブリュッセルで勉強を始めた後、バルセロナに移動し、すぐにこれを利用することができました。面白いことに、バルセロナには1年だけ滞在するつもりでしたが、この街に惚れ込んでしまい、結局15年も滞在することになったのです。

EUでの生活で最も楽しかったことは何ですか?

EUでは、さまざまな国籍や背景を持つ人たちと交流し、学ぶ機会があり、本当に楽しかったです。

Bachelor of Business Administrationを学ぶことの素晴らしさは、コースの全員が異なる職業的目標を持っていて、それぞれが異なる何かを持っていることです。家業に就きたい人もいれば、広告代理店に入りたい人、金融の道に進みたい人もいます。 教授も学生も多様で、興味のある分野も違うので、EUは本当に楽しくて刺激的な場所でした。

EUで学んだスキルで、キャリアにおいて特に役に立ったものはありますか?

ビジネス界で成功を収めた教授陣から学ぶことは、さまざまなビジネスシーンを応用するための実際のシナリオや逸話を提供してくれるので、本当に貴重な体験でした。このことは、私がキャリアをスタートさせる際に、現実のビジネスプロジェクトに集中する上で間違いなく役に立ったと思います。

マンチェスター・シティのCOOとして、どのような役割を担っているのですか?

私は最高執行責任者として、基本的にはクラブのビジネス活動全般を担当しています。

クラブの組織は、CEOであるフェラン・ソリアーノの下に、2人の部下がいます。一人はサッカーを担当し、もう一人はビジネスを担当する、それが私です。私は、収益、損益、コスト管理を監督しています。また、選手の契約や移籍は損益に大きな影響を与えるので、サッカー担当と連携しています。

あなたは信じられないほど成功したキャリアをお持ちです。どのようにして今の地位を築いたのでしょうか?

正直なところ、私の成功には運も絡んでいました。

EUでの学業を終えた私は、世界的な通信会社であるティスカリで事業開発マネージャーとして働きはじめました。当時はインターネットブームの最中で、同社は多言語で技術に精通した若い卒業生を求めており、私はそのプロフィールに合致していたのですが、これは主にEUのおかげです。

偶然にも、2003年にFCバルセロナが新しいメディア(インターネット、携帯電話など)の専門家を探しているということで私にコンタクトがありました。私がティスカリでやっていたのは、この分野だったのです。ここで運が向いてきました。

私はFCバルセロナのスポンサーシップ担当として入社し、その後は、ただひたすら努力と献身を重ねるだけでした。私は周りから情報を吸収することがとても大切だと思っていて、いつも、同僚や経営書、ビジネス記事からできるだけ多くのことを学ぼうとしています。そうすることで、さまざまな役割の中で自分を成長させることができ、今の私があるのだと思います。

世界各地にお住まいで、4カ国語を話されるそうですね。国際的な経験を積むことは重要だと思いますか?

国際的な経験を積むことが肝要だと思います。

現在、大学を卒業した学生は優秀な人が多いので、何か他の人と違うことを提供しないと、他の人と差をつけることができません。私の経験では、さまざまな言語を話し、国際的なバックグラウンドを持っていることは、付加価値を生み出すことに繋がります。異なる文化に触れ、異なる環境に適応できるようになるのです。マンチェスター・シティで新卒者を採用する際、私は履歴書だけでなく、その人の価値観や、どんな経験や専門知識を私たちと共有できるかを考えています。

シティ・フットボール・グループは、現在のサッカー界で最も強力な勢力の一つです。その特徴は何でしょうか。

この5、6年で確立したモデルになります。

FCバルセロナ、レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドなどには、世界中に数百万人のフォロワーがいますし、マンチェスター・シティにもいます。

しかし、私たちがとったアプローチは、真にグローバルなサッカー組織になることです。そのためには、世界中に物理的な存在感を示すことが必要になり、私たちは都市ブランドのクラブをフランチャイズモデルとして展開しています。私たちはニューヨーク、メルボルン、日本にクラブがあり、ジローナFCの株式とウルグアイのクラブの株式も保有しています。このように複数のクラブを運営することで、たとえ大きなクラブであっても、1つの都市に1つのクラブしかない場合よりも、より有意義な形でファンと関わることができるのです。

クラブはインスタグラムやYouTubeなどのソーシャルメディアで多くのファンを獲得していますが、ファンとのエンゲージメントを図る上で、ソーシャルメディアはどのように重要なのでしょうか?

今はソーシャルメディアがとても重要です。ファンは7、8歳くらいからクラブを選び始め、10代になるころにはクラブを決め、だいたい一生そのままの状態です。こうしたファンは、ソーシャルメディアやビデオゲームなどのデジタルプラットフォームを通じて、クラブと関わっています。

私たちは、これらのプラットフォームで、魅力的な方法で彼らに語りかけるコンテンツを提供し、関係を発展させ、できれば彼らが私たちをお気に入りのクラブとして選び、それが生涯の関係となるようにする必要があります。

スポンサーシップの関係をどのように選んでいるのですか?

私たちは、同じような価値観を持つブランドを探しています。

マンチェスター・シティでは、コミュニティがすべての活動の中心です。クラブは120年前にコミュニティクラブとして設立されたので、コミュニティに貢献するブランドを探しています。単なる金銭的な取引ではなく、ファンにとって意味のあるコンテンツを作ることが重要なのです。ファンへの還元、クラブの一員であることを示すこと、そして地域社会への還元をするために何ができるかを考えなければなりません。最終的には、サッカーを善の力として活用することなのです。

仕事で好きなことは何ですか?

最もやりがいを感じるのは、マンチェスター・シティが試合に勝ったとき、ファンの純粋な喜びと歓喜の表情を見ることです。本当に素晴らしいことで、これほど素晴らしいことはありません。

私のキャリアの中で最も好きな瞬間のひとつは、2012年5月にプレミアリーグを制し、44年ぶりの優勝を果たしたときです。負けるかと思いましたが、試合終了間際にセルヒオ・アグエロがゴールを決め、ユナイテッドを抑えて優勝しました。とても特別な瞬間で、僕にとってサッカーとはそういうものなのです。ファンがクラブの成功を楽しんでいる姿を見ることは格別です。

学生たちに、将来のキャリアへの取り組み方についてアドバイスをお願いします。

好奇心旺盛であること。常に学び続け、異なる分野や業界に対してオープンであること。個人的な経験も仕事上の経験も幅広く持つことが大切です。

多くのキャリアで専門性が求められますが、企業のCEOや幹部を目指すのであれば、マーケティング、財務、販売、一般的なビジネスマネジメントを十分に把握しておくと、より有利になります。

さらに言えば、スポーツ業界でキャリアを積みたい学生にも?

この15年でスポーツ業界はよりプロフェッショナルになりました。大学やビジネススクールでもスポーツマネジメントのコースを設けるところが増えてきていますし、これは素晴らしいことだと思います。

以前は、スポーツの世界に入るときに、特に知識もなく、ただなんとなく入ってきたという人が多かったと思います。もし、スポーツマネジメントに特化したコースがあるのであれば、ぜひ受講してください。就職活動でも有利になりますよ。

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